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キャリアアップ助成金 就業規則に必要な条項と申請フローを完全ガイド

2025年07月24日

「キャリアアップ助成金、就業規則の整備は万全ですか?」

非正規雇用の従業員を正社員化した際などに支給されるキャリアアップ助成金は、企業にとって非常に魅力的な制度です。

しかし、申請時に見落としがちなポイントが就業規則の整備です。
内容が要件を満たしていないと、不支給や返還のリスクもあるため、注意が必要です。

本記事では、キャリアアップ助成金の申請に必要な就業規則のポイントや作成・変更の手順、実務上の注意点をわかりやすく解説します。
確実に助成金を受け取りたい事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

キャリアアップ助成金 就業規則に必要な条項と申請フローを完全ガイド

キャリアアップ助成金の就業規則対応について

キャリアアップ助成金は、非正規社員の正社員化や待遇改善など、企業の人材活用や労働条件の向上を支援する重要な制度です。
しかし、助成金を適切に受給するためには、就業規則への確実な対応が不可欠です。

以下では、助成金を申請する際の就業規則上の対応ポイントについて、分かりやすく解説します。

キャリアアップ助成金とは何か

キャリアアップ助成金は、労働者の安定した雇用と、企業の人材育成を目的とした厚生労働省の助成制度です。

特に、有期雇用労働者やパートタイム労働者を正社員へ転換した場合や、賃金規定の改定・処遇改善を実施した場合など、一定の条件を満たすことにより企業が助成金を受給できます。
人事戦略の一環として導入する企業が増えています。

助成金の主な対象者と条件

キャリアアップ助成金の主な対象者は、有期契約やパート・アルバイトなど非正規雇用として働く従業員です。
受給には、6ヵ月以上雇用していることや、就業規則等による正社員転換や待遇改善の明記が必要です。

また、社会保険に適切に加入していることや、過去に不正受給がないことなども要件とされています。
申請前に条件の詳細確認が重要です。

就業規則の役割と重要性

就業規則は、企業運営における労働条件や就業ルールを明文化するもので、労使トラブル防止や公平な雇用管理に欠かせません。

キャリアアップ助成金の申請時にも、正社員転換制度や賃金制度の改定を明確に記載していることが審査で問われます。
就業規則の内容が不適切だと助成金の受給ができない場合があるため、重要な役割を果たしています。

就業規則に記載必須となる条項とは

キャリアアップ助成金の申請にあたっては、「正社員転換制度」「転換の基準・手続き」「賃金規定の変更方法」「昇給・賞与の有無」などの条項を就業規則に明記する必要があります。

特に、転換後の処遇や手続きフローが明確でないと審査で指摘されることが多いため、助成金の制度要綱に合わせた具体的な文言の用意が不可欠です。
不備があれば事前に見直しましょう。

キャリアアップ助成金申請の流れと必要書類

キャリアアップ助成金の申請手続きは、複数のステップと豊富な書類提出が求められます。

助成金の支給申請から審査、支給決定後の事務処理まで、円滑に進めるためには全体の流れを正確に把握し、必要な書類を漏れなく準備することが大切です。
ここで、具体的な申請フローや必要書類、審査対応ポイントを解説します。

必要となる書類一覧

キャリアアップ助成金の申請には、「就業規則(改定履歴含む)」「出勤簿・賃金台帳」「雇用契約書」「正社員転換申請書」「社会保険適用証明書」など、さまざまな書類が必要です。

その他、状況に応じて「求人票」や「労働条件通知書」などの提出も求められることがあります。
各書類の保管や記載内容の整合性が審査通過のカギとなります。

審査でよくある指摘事項

審査時には、「就業規則への転換制度の明記不足」「書類不備や記載ミス」「実際の処遇改善が制度通り行われていない」などがよく指摘されます。

また、勤務実績や賃金台帳の記載内容と、申請内容との齟齬も審査落ちになる原因です。
指摘事項を未然に防ぐには、事前に就業規則や賃金規程を再確認し、社内運用との整合を取ることが不可欠です。

支給決定後の手続き

助成金の支給決定後は、申請内容どおりに正社員転換や賃金改定が実施されているか、雇用契約や給与明細などの証憑で最終確認が行われます。

必要に応じて追加資料提出や事後報告が求められることもあるため、支給後も関係書類の管理と定期的な制度運用の点検を徹底することが重要です。
適切な対応を怠ると助成金返還リスクが生じるため注意が必要です。

まとめ

キャリアアップ助成金の活用には、就業規則への適切な条項追加と全社的な運用整備が不可欠です。

申請準備から審査対応、支給決定後の管理まで一連の流れを確実に実践することで、企業は助成金を活用しつつ、人材の定着や職場の働きやすさ向上を実現できます。
法令遵守と制度の最新情報の把握を今後も心がけましょう。