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パートでも雇用保険に入れる?条件とメリット・デメリットもを解説

2023年09月29日

雇用保険は、正社員しか加入できないイメージがありますが、条件を満たせばパートやアルバイトでも加入できます。
フルタイムのパートタイマーの中には、失業したときに備えて雇用保険に入りたい方もいるでしょう。

今回は、パートタイムやアルバイトで働いている方が雇用保険に入れる条件やメリット・デメリットを解説します。

パートでも雇用保険に入れる?条件とメリット・デメリットもを解説

パートで働きながら雇用保険に入る条件

パートやアルバイトなど非正規雇用でも、以下の条件を満たせば雇用保険に加入できます。

・1週間で20時間以上の所定労働時間がある
・31日以上の期間働く見込みがある

例えば1日5時間、週5日働けば1週間で25時間勤務です。
また、1ヵ月以上働けば雇用保険の加入資格を得られるため、2~3ヵ月の契約であっても加入は可能です。
なお、契約当初は31日未満の雇用契約であっても、その後31日以上雇用が決まった時点で、雇用保険の加入資格が発生します。

働く時間帯などは関係ありません。
例えば、夜勤でも早朝勤務でも加入は可能です。
このほか、年齢も関係ありません。
現在は定年後、65才以上のシニア層が定年後にパートで働く事例も増えていますが、そのような方でも雇用保険の加入は可能です。

条件を満たしてもパートが雇用保険に加入できないケース

条件を満たしても、パートやアルバイトでは雇用保険に加入できない方は、以下のようなケースです。

・学生
・国や都道府県、市町村等の事業に雇用されている場合
・一部の船員
・前職で雇用保険の喪失手続きをしていない場合

学生が学業の傍らパートやアルバイトで働く場合、加入条件を満たしていても加入できません。
ただし、休学している場合や定時制に通っている場合、さらに卒業見込みの場合は加入できます。

また、国や都道府県、市町村等の事業に雇用されている場合の中で、離職後の諸給与が雇用保険給付の内容を超える場合は雇用保険に入れません。
これは、高額な退職金をもらった場合などに該当します。
このほか、一部の船員とは特定漁船以外の漁船乗組員として雇用されている場合です。

なお、前職で雇用保険の喪失手続きをしておらず、雇用保険に加入できない場合はすぐに喪失手続きをしてもらいましょう。

パートで働きながら雇用保険に入るメリット・デメリット

ここでは、パートで働きながら雇用保険に入るメリット・デメリットを紹介します。
雇用保険に入るかどうか迷っている方は、参考にしてください。

メリット

雇用保険に加入していれば、離職時に失業等給付を受けられます。
失業保険が受けられれば、落ち着いて次の職を探せるだけでなく教育訓練も受けやすくなるでしょう。

また、体調不良など現状の条件では働き続けるのが難しいですが、もう少し働く時間を短くするなどすれば就業は可能といった場合もあります。
このような場合、失業保険をもらいながら時間をかけて仕事を探せるのは大きなメリットです。

このほか、家庭の都合で遠くへ引っ越すので仕事を続けられない場合もあるでしょう。
こちらも引っ越し先で経済的な不安なく仕事を探せたり、空いた時間で職業訓練を受けられたりするなどのメリットがあります。

デメリット

一方、雇用保険に加入するとその分給与の手取りが減ります。
雇用保険に入ったばかりの頃は、損したような気分になるかもしれません。
しかし、長い目で見れば雇用保険に加入したほうがメリットが大きいため、デメリットはほぼゼロといっていいでしょう。
加入できる条件が揃っているならば、加入しておくのが最善です。

雇用保険に加入しているパートが失業保険を受け取る条件

最後に、雇用保険に加入しているパートが失業保険を受け取る条件を紹介します。
雇用保険に加入したからといって、無条件で失業保険が受けられるとは限らないので、注意が必要です。

加入期間を満たしている

雇用保険に加入していて失業保険をもらうには、離職前2年間に12ヵ月以上の被保険者期間が条件です。
ただし、倒産や会社都合の解雇、妊娠、出産、育児等で離職して雇用保険法第20条第1項が認められた場合などやむを得ない事情で離職した場合は例外です。
離職前1年間に6ヵ月以上の被保険者期間があれば受給できます。

自分の離職理由がやむを得ない理由に該当するかどうか、知りたい方はハローワークや労務局の相談窓口に相談してみましょう。

就職しようとする意思がある

もう1つの支給条件が、就職しようとする意思です。
ハローワークへ行って求職の手続きを行いましょう。
家庭に収まって主婦となる場合や、家業に専念するために離職した場合、すでに次の就職先が決まっている場合などは受給できません。

なお、病気・ケガ・妊娠・出産・育児・介護などの理由がある場合は、失業給付金の受給期間延長手続きを行いましょう。
そうすれば、働く準備が整ったあとで受給が開始されます。

まとめ

現在は、働き方の多様化によって非正規のままフルタイムで働く方も増えています。
雇用保険に加入できれば、万が一のときも安心して次の仕事を探せます。
加入できる条件ならば、ぜひ加入しましょう。
職業訓練なども落ち着いて受けられます。

なお、加入できる条件が整っているのに雇用主が加入を渋れば、法律違反です。
もし、雇用主がいろいろな理由をつけて加入を渋る場合は、ハローワークの相談窓口や最寄の労務局などに相談しましょう。