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【担当者必見】就業規則変更届の作成方法・提出までの流れを徹底解説

2023年02月07日

労働基準法第89条では、会社は就業規則の作成と届出を義務づけています。
会社の定義は「常に10人以上を雇用している会社」が対象です。
また、就業規則の変更後も届出が必須です。
そこで今回は、就業規則変更届の作成方法と提出までの流れをわかりやすく紹介します。

就業規則変更届に対応する担当者は必見です。
ぜひ最後まで記事を読んでください。

【担当者必見】就業規則変更届の作成方法・提出までの流れを徹底解説

【就業規則変更届】作成方法

就業規則を変えた場合は、労働基準監督署に変更届の提出が必要です。
変更届をしないと法律に抵触します。
法律を犯さないためには、どのような文書を提出すればよいのでしょうか。

届出に必須な文書

労働基準監督署に届出が必須な文書は以下の3点です。

● 変更届
● 意見書
● 就業規則(変更後)

1つずつ解説します。

1. 変更届

1つ目の文書は就業規則変更届です。
労働基準監督署の公式サイトからダウンロードすると簡単に手に入ります。
変更する内容については、変更する前とあとの条文を記載します。

2. 意見書

意見書は、従業員から1名代表者を選任して意見を述べてもらいます。
その際、就業規則の変更内容について以下の2つから選ぶのが一般的です。

● 特に意見なし
● 変更に反対(理由)

仮に反対意見が出ても、従業員の意見に耳を貸している事実が重要です。
よって、反対意見でも受理されるので安心してください。

ただし、大幅な給与の削減など従業員が「不利益になる変更」は別です。
不利益になる事項を会社が勝手にすすめるのはNGです。

上記のケースは労使間合意が重要となります。
そのため、説明会の中で同意書を求める必要があります。

3. 就業規則(変更したあと)

変更したあとの就業規則は、以下の形で準備しましょう。

● 変更箇所を赤字で追記
● 新旧比較表

労働基準監督署が確認する点は、どの部分が変更しているかです。
変更箇所がわかるように文書を作成してください。

【就業規則変更届】提出方法

就業規則変更届が準備できたら、管轄の労働基準監督署に提出します。
管轄の労働基準監督署は、労働局のホームページで確認してください。

労働基準監督署に文書を提出

労働基準監督署に提出する文書を2部ずつ用意します。
なお、文書は以下の方法でも受け付けが可能です。

● 窓口に直接提出
● 郵送

郵送で手続きする際、返送封筒を1部同封しましょう。
労働基準監督署が控えの文書を返送するためです。

文書を受け付ける期間

労働基準監督署が文書を受け付ける期間は、具体的に「何日以内」とは決まっていません。
あくまで施行から「常識の範囲内」での届出とされています。
では、常識的な範囲とはどのくらいなのでしょうか。

施行から3ヵ月・半年を経過するのは、常識の範囲とはいえません。
遅くとも1ヵ月以内には届出るようにしましょう。

提出しなかった場合の罰則

労働基準法第89条には、就業規則の作成および届出の義務を定めています。
法律に違反すると三十万円以下の罰金に処される可能性があります。

提出が義務づけられるのは10人以上雇用している会社

労働基準法第89条第1項には、以下の記載があります。

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。(※1)
(※1)参照:e-GOV 法令検索 労働基準法第89条

法律にもある通り、上記に該当する会社は就業規則の届出と変更届が必要です。

【就業規則変更届】3つのタイミング

就業規則変更届が必要なときは以下の3つです。

● 会社の規定を変えた
● 法改正の施行
● 会社の業績が悪化

1つずつ解説します。

会社の規定を変えた

会社の規定を変えた場合に変更届が必要です。
具体的な内容は以下の通りです。

● 就業時間の変更
● 手当の新設(住宅手当・扶養手当など)
● 新しい勤務形態を導入

上記以外にも従業員に関わる規定を変えた際は、変更届を提出しなければなりません。

法改正の施行

労働基準法や雇用に関わる法律が改正された場合も変更届が必要です。

最近では、アルバイトや契約社員などの有期雇用者への法制度も活発に見直されています。
就業規則が現状の法律にそった内容かどうか、定期的な確認が重要です。

会社の業績が悪化

業績が低迷し、労働条件を変更する場合も届出が必要です。
理由としては従業員にとって不利益になる可能性があります。

従業員の不利益になる主な例

● 給与の引き下げ
● 労働時間の変更
● 休日の変更
● 福利厚生の廃止

業績悪化による労働条件の変更は、会社を存続させるためには仕方のない処置といえます。
ですが、不利益の影響を受けるのは従業員です。
そのため、丁寧な説明は必須になるでしょう。

【就業規則変更届】あとに行う対応

就業規則変更届を提出したあとに、会社は2つの対応をする必要があります。
1つずつ解説します。

従業員への情報共有

就業規則の変更後は、従業員への情報共有が必要です。
従業員が変更した内容を知らなければ不利益になる可能性もあります。
特に給与や休みなどの内容は、共有漏れがあるとトラブルに発展するかもしれません。
忘れずに周知してください。

文書の差し替え

就業規則の変更後は、文書の差し替えをしなければいけません。
変更前の文書のままでは変更したのかわかりません。
労働基準監督署から変更届が受理された際は、早急に文書の差し替えをしましょう。

まとめ

今回は就業規則変更届について解説してきました。

常時10人以上雇用している会社では、就業規則を変更する場合、変更届の提出が法律で定められています。
働き方改革により雇用に関する法律も目まぐるしく変わっています。
会社で就業規則を変更するときは、本記事を参考に対応してください。