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産休取得に条件はある?育休との違いや出産手当金についても解説

2023年06月30日

産休は出産前後に取得できる休暇です。
現在は妊娠しても働き続ける女性が増え、産休を申請する方も多くなりました。
その一方で、自分はパートやアルバイトだから産休を取得できるか不安に思っている方もいるでしょう。

今回は、産休の概要や取得できる条件、育休との違い、出産一時金が取得できる条件を解説します。

産休取得に条件はある?育休との違いや出産手当金についても解説

産休の概要と取得条件は?

はじめに、産休制度の概要や取得できる条件を紹介します。
近年できた産後パパ育休制度の違いや、申請制度も解説するので参考にしてください。

産休とは産前・産後に取得する休業

産休とは、労働基準法で定められた産前休業と産後休業の2つを合せた休業制度の名称です。
産前休業と産後休業は以下のような違いがあります。

・産前休業:出産予定日を基準として6週間前から本人の希望があれば休ませる
・産後休業:出産翌日から8週間は原則就業不可、ただし産後6週間目から本人の希望があれば復帰可能

産前休業は本人の希望すれば取得しなくてもいいですが、産後休業は義務です。
たとえ本人が希望しても出産後6週間未満の女性を働かせた場合は、労働基準法違反です。
産後6週間で復帰してもらう場合は、必ず医師の診察を受けて就業許可を得ましょう。

また、出産予定日が予定より遅くなった場合は、6週間を超えて休んでも産前休業扱いとなります。
このほか、産休中と出産後30日は労働基準法によって解雇が禁止されています。
ですから「産休を申し出ると解雇されるのでは」との心配はありません。

雇用形態・勤続年数にかかわらず取得可能

産休は、妊娠している女性労働者ならば誰でも取得できます。
雇用形態・雇用年数などは問われません。
パートやアルバイトでも取得できますし、就職や転職したばかりでも取得可能です。

雇用形態や勤続年数を理由に産休の取得を認めない職場は、労働基準法に違反しています。
また、妊娠した女性が仕事の軽減をもとめたのに、それに応じないのも労働基準法違反です。
会社が産休を受け付けてくれない場合は、労働条件相談ほっとラインなどで相談を受け付けているので、相談してください。

産後パパ育休制度との違い

産後パパ育休制度とは育児休業生徒は別に、子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得できる制度です。
産休は、妊娠している女性しか取得できません。
産前・産後に妊婦さんが体調を崩して配偶者のサポートが必要であっても、有給で対応するしか方法がありませんでした。
しかし、産後パパ育休制度を用いれば、より臨機応変に対応できます。

また、分割して2回の取得が可能なので、子どもや配偶者の状態に応じて臨機応変に取得が可能です。
このほか、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中でも就業ができるので、仕事と育休の両立も可能です。

産休の申請方法

産休は労働基準法で定められた労働者の権利ですが、申請方法は会社によって異なります。
産休を取得したい場合は、早めに会社の人事や労務に相談しましょう。
会社によっては会社の規則によって労働基準法以上の休業を認められているケースもあります。

また、産休中は会社に給与の支払い義務がありません。
しかし、こちらも会社の規則によって一定額の給与が支払われるケースもあります。
産休中の給与は産休手当の申請にもかかわるので、しっかりと正確な情報を聞いておきましょう。

育休と産休の違いとは?

産休と混同しがちな休暇に育休があります。
育休は、育児休業の略で原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの間取得できる休暇を指します。
女性の場合は産後8週間(2ヶ月)は産休扱いなので育休の取得期間は厳密にいえば10ヶ月です。
産休とは異なり、男性も育児休業を取得できます。

なお、育児休業とよく似た制度に育児休暇があります。
育児休暇は企業の福利厚生の一環であり、会社によって制度が異なるのが特徴です。
例えば1歳まで育児休業を取得し、その後育児休暇で2~3歳まで休暇を取るといったケースもあるでしょう。

産休は、産前・産後に取得できる休暇、育休は子どもが1歳になるまでに取得できる休暇、育休は会社によっていろいろなルールが異なる休暇と覚えておくといいでしょう。
なお、育児休暇はあくまでも設置努力義務であり、会社によっては設置していないところもあります。

産休手当とはどのような制度?

産休手当とは、産休中に給与が出ない場合に健康保険から支払われる手当です。
産休手当は、産休中に無給となった健康保険に加入している方が、妊娠4ヶ月以上の出産の際に受け取れます。

健康保険に加入していないパートやアルバイトは支払い対象ではありません。
また、給与は支払われているが働いているときより減額されている場合は、差額を産休手当として受給できます。
会社から給与が満額支払われている場合は受給できません。

なお、退職前に継続して1年以上健康保険に加入していた方が産休手当を受給しながら産休を取得しており、事情があって産休中に退職した場合は退職後も産休手当を受給できます。

まとめ

今回は、産休取得の概要や取得できる条件、育児休業や育児休暇との違いを解説しました。
産休は妊娠中の女性労働者であれば、誰もが取得できます。
パートやアルバイト、派遣社員でも取得できるので、産休取得後も働きたい場合は、早めに会社に相談しましょう。
また、育児休暇も産休と合せて取得すれば、産後1年間は安心して育児に専念できます。