お役立ちコラム

column

社会保険労務士の今後の需要は増える?減る?明るい未来について解説

2023年03月30日

「社会保険労務士の今後の需要は先細り」といった意見を聞いて、不安になっている方もいるでしょう。
しかし、社会尾見労務士の仕事は、そう簡単になくなるものではありません。

今回は、社会保険労務士の仕事内容や今後も需要がなくならない理由などを詳しく解説します。
社会保険労務士を目指している方は参考にしてください。

社会保険労務士の今後の需要は増える?減る?明るい未来について解説

社会保険労務士の今後の需要がなくなると言われている理由は?

社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づいて従業員の採用から退職に関わるあらゆる「労働・社会保険に関する諸問題」の相談に応じられる資格です。
「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的とし、従業員と経営者の両方から相談を受けたり書類を代行作成したりするのが特徴です。

社会保険労務士には、以下にご紹介する3つの独占業務があります。

【1号業務】:労働社会保険関係諸法令に基づく提出書類作成・提出代行
【2号業務】:帳簿書類作成業務
【3号業務】:労務コンサルティング

このうち、1号業務と2号業務は近い将来AIにとってかわられるのではないかといった意見があります。
それが、社会保険労務士に今後の需要がなくなるのでは?と言われている理由です。

今後の需要がなくなると言われている社会保険労務士の現状は?

社会保険労務士の今後の需要は減っていくと言われていますが、そのような意見はすべての職業にも当てはまります。
実際、現状はどうでしょうか?
ここでは、社会保険労務士の現状を解説します。

【3号業務】の需要は増している

1号業務や2号業務は、法律やルールをAIに覚えさせれば代行はできます。
しかし、3号業務である労務コンサルティングは、臨機応変な対応が求められる仕事です。

100社会社があれば、100通りの相談があると言ってもいいでしょう。
ですから、そう簡単に業務をAIにとってかわられることはありません。
仕事の多様化により、3号業務の需要は増しています。

女性がより活躍できる資格として人気

社会保険労務士は、すべての企業で一定の需要があります。
働き方改革により、従業員と会社の雇用形態や契約は複雑さを増しています。
「法律的に正しいのか」「会社と交渉をしたいのだが、専門家の意見を聞きたい」といった理由で、社会保険労務士を頼る方は増加する一方です。

また、社会保険労務士は男女関係なく取得して活用できる資格であり、細やかな心遣いができる女性が活躍しやすい環境でもあります。
ですから、女性の活躍が期待できる資格としても人気です。

試験難易度が高いのでライバルがなかなか増えない

社会保険労務士の資格試験は難易度が高く、ここ5年間の合格率は常に10%未満です。
誰でも少し勉強すれば合格できる資格試験とは異なり、同業者がなかなか増えにくいのが現状です。

同業者が増えにくければ、ライバルもそう簡単には増えません。
そのため、一度契約を結んだ会社は、よほどの理由がない限り同業者に鞍替えする可能性は低めです。

つまり、ある程度営業を頑張ればライバルを心配することなく仕事に打ち込めるでしょう。

社会保険労務士の今後の需要はそう簡単には減らない

社会保険労務士の仕事は、将来大部分がAIにとってかわられる可能性はゼロではありません。
ですから、遠い将来社会保険労務士の需要が激減することもあるでしょう。
しかし、すぐに今後の需要がゼロになるといった可能性は低いです。

今、社会保険労務士になろうかどうか迷っている方は、ぜひチャレンジしてみましょう。
ここでは、社会保険労務士試験の受験資格や勉強方法のコツを紹介します。

社会保険労務士の受験資格は?

社会保険労務士の資格は、以下の3つの受験資格のいずれかを満たせば受験できます。

・学歴
・実務経験
・厚生労働大臣の認めた国家試験合格

学歴とは、大学、短大、専門職大学、専門職短大、5年制の高等専門学校のいずれかを卒業した方です。
学部や専門は問われません。
法学部など専門職大学に通っている場合は、前期課程を修了した時点で受験できます。

職歴とは、労働組合、日本郵政公社(日本郵政グループ)、年金公社、さらに社労士法人・弁護士法人などで業務補助経験などが該当します。
経験年数は3年以上です。

厚生労働大臣の認めた国家試験合格とは、行政書士など79の国家試験が該当します。
詳しくは、社会保険労務士の資格試験公式サイトを確認してください。
門戸は広く開かれています。

難易度の高い試験などで勉強方法を工夫しよう

社会保険労務士の試験は大変難易度が高く、「難試験」の1つに数えられています。
独学で勉強して合格する方もいますが、法律など専門的な知識が幅広く必要です。

予備校でも社会保険労務士コースがあります。
このほか、通信講座を利用するなどサポートを受けながら勉強する方法も視野に入れて選択しましょう。

一発で合格したい場合、最低でも半年間は勉強する期間を設けてください。
一夜漬けで勉強して合格するほど甘い試験ではありません。

まとめ

社会保険労務士だけでなく、将来的にはいろいろな仕事がAIにとってかわられると考えられています。
しかし、いますぐに社会保険労務士の資格が無駄になるわけではありません。

少なくとも、あと10年は十分に資格を活用して働けるでしょう。
挑戦するメリットは十分にあります。
難易度の高い資格ですから、転職や就職にも役立つでしょう。